春がきた。あのこはいなくなった(HF3章ネタバレ)

 

 HF最高でしたね(挨拶)

 

 私、イリヤスフィールの自己犠牲を13年前から信仰しているオタク!こっちはオタクの情緒が乱れに乱れた備忘録!

 

 そういった趣の感想文なので、こちらはヘブンズフィール3章Spring Songの多大なるネタバレと大いなる主観的感想を含みます。

 これからこの映画を観る予定の方は読まないで先入観なく劇場で衝撃を味わってください。オタクが巨大感情に振り回されるさまをキャッキャッ!って手を叩きながら喜んで見るシンバル持ったおさるのおもちゃみたいな趣向をお持ちの方向けです。

 

 

 

 

 

 

 

―――  以下ネタバレを含みます ―――

 

 

 

 

 

 

 

 まず初めにHF三章は本当に丁寧に作られていて、感情の動きが声の演技、口元の微細な動きや震え、眉や眼球の動き、果ては背景美術で鮮やかに描かれていて、大変分かりやすく、かつ素晴らしい濃密さで心情が伝わる物凄い作品でした。変態的なこだわりで作られている作品は健康にいいぞ。

 士郎と桜の行く末、正義や罪のありか、姉妹の本音のぶつけ合いと、二人の壊れかけた男たちの信念の衝突、そして御三家の原初の祈りが行き着く先など、本当に多くのテーマを纏めきった物凄い映像です。

 勿論ライダー対セイバーオルタのバトルシーンは圧巻の一言に尽きるので、是非劇場の大スクリーンと音響による迫力の中で観てほしい…………

 

 

 

 劇場や帰りの電車で周囲のオタクも口にしていたけど今回のEMIYA(UBWを展開するときのいつもの曲)、アレンジがとんでもなく最高に最高でもう本当に鳥肌が立ち涙が出ました。これだけでチケット代元取れたわと確信した(何??????)

 それから、衛宮邸で室内にいる士郎とライダーの襖越しの会話シーン、気のせいでなければ土蔵の中でセイバーと「――問おう」って契約するシーンとわざと構図被らせてませんでした?????????無理なんですがそういう事されると胸が熱くて死んでしまいます

 そんな感じでいくつか「これ以前のFate関連映像作品のオマージュかな?」と思う画面作りをしているように見えたので、次回はもう少しそういうところも見ていきたいと思いました。

 

 

 

 ただ、正直ここまでの感想が全部霞むくらい、終局『奇跡の果て』の映像化、もといイリヤおねえちゃんが壊れかけのおとうとに「シロウは生きたい?」と問いかけて、願いに応えるあのシーンがもう もう 思い出しただけで涙が止まらん

 


 13年前にPS2版レアルタ・ヌアでブラウン管に齧り付いて号泣して、手に力が入らなくて文字送りの⚪︎ボタンすら押せなくなったあの日に、イリヤ推しの私は大きな喪失感を味わいまして。それ以来彼女の生き様が、あまりにも綺麗な消失が忘れられず、以降イリヤスフィール・フォン・アインツベルンおねえちゃんは自分の中の少なからぬ熱量を細く長く傾け続けた存在になった訳です。

 


 HFが劇場アニメとして上映されることが決まったその日、私の脳裏を過ぎったのは最終章で描かれるEDによってはもう一度あの喪失を味わうのかという恐怖でした。

 桜が長らく人気が奮わなかったことをリアルタイムで感じていた(以前はあの学習性無力感に私も共感できなかった。今は桜や慎二も味のある子たちだなと思えるようになった)こともあり、『脚光を浴びられるね良かったね!』という桜への祝福の気持ちと『あのホラールート映像化するんか?!』という驚き、そして『時間をかけてイリヤの生きた姿に限りなく信仰に似た憧憬を感じるようになった私が映像化したあのシーン観たら号泣どころか嗚咽が漏れるんだけどどうしよう、バスタオルびしょびしょにするほど泣くかもしれん』という社会的死への恐怖が混ざり合ってどうにかなるかと思いました。まあ三部作観てどうにかなったんですが。

 

 公開初日に這々の体で観に行きましたが、実は前日までチケットを取っていませんでした。そのときの私の呟きがこちらです。

こわい いやだ なにもかんがえたくない おねえちゃんがいなくなるところみたくないが?????????????????????????????????????涙出てきた 観測しない限りおねえちゃんは衛宮邸でごはんたべてるもん……………アアア嘘ですおねえちゃんはもういない おねえちゃ

 

これはイリヤスフィール・フォン・アインツベルンおねえちゃんが自分より歳上だった頃から拗らせ続けてる狂信者の戯言なんですけど、イリヤの生き様を否定するつもりはなくて結末引っ括めてあまりにも あまりにも美しくて、ゲームをしていて初めて声を上げて号泣してボタンを押せなくなった体験を→

したのがHFトゥルーエンドの某シーンだったんですよ
でもそれはそれとして春が来て 桜は美しく咲くんですけど雪が解けるんですよ そこに彼女は居ないんですよ 一冬の雪が連れてきた六花みたいにきえてしまうさまをですね、二度も観たら干上がるんですよ

 三ツイートでこの文量……

 ご覧の通り、まあ恐怖で慄いてたんですが、それ以上にネタバレに被弾するのが嫌すぎて、同じく衛宮士郎を拗らせた友人に励ましてもらいながら席を予約しました。


 結果として、奇跡を起こしたイリヤが聖杯の中でユスティーツァでありアイリスフィールでもある人に会えたこと、笑って逝けたことに救われて、安堵から滂沱の涙が出たんですが、そのままエピローグが始まってしまって慌てて涙を引っ込めました。

 弓道場で射場に立つ桜と、それを憧れの眼差しで見つめる美綴弟、衛宮士郎のいない家、凛との時間、路地裏ですれ違った蒼崎橙子と彼女が二束三文で売ったであろう人形のおかげで、魂が物質化した士郎とまた過ごせるようになって。

 

 満開の桜の下で花見をするシーンで、白ブラウスに黒カーディガンで喪服のような出で立ちの桜と、寄り添う士郎がいます。凛やライダーもいる中で、驚いたのは原作のスチルには居なかった藤ねえがそこに居たことです。士郎の日常の象徴のような人と、花見ができる。二人は罪を背負ってもこれから生きていけるんだなと涙が滲みました。

 それでも、花見の席には一成も実典くんも美綴も、陸上部三人娘だっているのに、そこに間桐慎二と、何よりイリヤスフィール・フォン・アインツベルンは居ないんだという事実を見せ付けられて、士郎と桜が二人で行く未来のためにいなくなったんだって分かっているのに、春がきて、桜が美しく咲いて、未来は進んでいくのにその先にイリヤスフィールは居ない。

 成長した姿を見ることもできず、一緒に花や海を見る事も出来ずに。

 


 それが視覚的に理解出来てしまって、私はその瞬間二度目の喪失と「未来に進む士郎たちに、冬と一緒に雪みたいにきえていってしまったイリヤに、またおいていかれてしまったな」という断絶を味わって、打ちのめされてひとり、エンドロールも観れずに泣き崩れました。お陰様でわたしクラウディアさんや遠坂永人さんの声優さんのお名前すら拝見してないんだなこれが

 

 上映が終わって場内が明るくなって、もう声を我慢しなくていいんだと思った瞬間しゃくり上げて声を上げて泣きました。一歩も動けなくて、涙が止まる気がしなくて、13年育んできた思い入れの分だけ喪失の痛みが深くなるだなんて誰が想像すると思います?あの子がこうして消えていってしまう事を知っていて好きになった筈なのに、突き付けられたらあの日の喪失がより深く傷になるだなんて思ってもいなかった

 

 でもその上映回で動けなくなる程泣いていたのは私だけで、身を切るような喪失は13年分の愛着を抱えた私だけの痛みでしかないので、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンという世界で一番素敵なレディが、世界で最も美しいドレス(天の衣)(ドレスの形をした呪い)を纏って、奇跡を見せてくれたことを忘れないように、そんな彼女をずっと愛し続けてこれた感謝を込めて、この深い深い傷ごと抱えて生きていきたいと思いました。重い!!!!!!!でもイリヤが好きなので!!!!!!!!!そういう人は心して下さい!!!!!!!!という文章でした。

 


 これでやっと大手を振って言えます!イリヤはただのロリじゃない、全人類のおねえちゃんなのでおねえちゃんの慈愛に灼かれてみんなもイリヤおねえちゃんのこと大好きになってね!!!!!!!!!!!!!

 


 Fate/stay night Heaven’s Feel  Ⅲ  Spring Song、全国の劇場にて大好評上映中です!!!!!!!!!!みんな観ておねえちゃんの慈愛に号泣してくれ!!!!!!!

 

 

拙い文章でしたが、最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

 

取扱説明書

 

 オープンネットワークに文章を投稿する事が久し振りで、大変緊張しております。

 

 このブログはしがないオタクがちょっと長めの内容を纏め、不特定多数の方に見て貰える場所を作る為の、いわば1発ネタ用です。継続してブログを書くかは今以て未定ですので、どうかご容赦下さい。胸を張って言えることではないが私は飽き性なんだ……

 

 禁則処理もグズグズになる事請け合いですが、どうか寛大な心でスルーして頂くか、耐え切れなくなったらそっ閉じして下さい。